いさみ寿し 鮨には二種類ある

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それは美味しい鮨と不味い鮨だ、ということでなく、新鮮な魚をすぐに握って食べさせてくれる鮨。もう一方は寝かせ鮨という、江戸前鮨。いわゆるイキの良いと言われる獲れたてを食べるのでなく、魚をしばらく寝かせ、酢〆、漬け、煮る、炙るなど、いろいろと仕事をして食べることからついた呼び名らしい。

魚を寝かせるとどうなるかというと、タンパク質が分解して、美味しいと感じるイノシン酸が増える。このネタに米の旨味であるグルタミン酸が合わさってシナジーを生み、鮨を美味しいと感じるようになる。さらにそこへグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の旨味を併せ持つ海苔が加わるともぉいけません。

しかし、こういった旨味の元が科学的に解明され始めたのはここ最近。

寝かせ鮨は江戸時代の人の知恵なんでしょうか、あるいは流通の問題で捕れてから時間が経ってしまって偶然の産物? 

そういえば江戸時代、まぐろは食べるもんじゃないと言われていたらしい、なぜかというと痛みやすいから。冷蔵庫とか無いからね、この時代。

だから当時の武士などはまぐろをこっそり隠れて食べる会みたいなものがあったと何かで読んだ。なんでこっそり食べるのかというと、まぐろを食うのは下品だという社会通念だったそーだ、だって、旨味を通り越してイケナイ状態になっているから。

いさ美寿しは創業してから五十年以上だと大将(みんなはマスターと呼ぶけど、自分としては大将と呼びたい)から聞いた。当初は本八幡の北口、八幡一番街に店を構えたそうです。

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達人というはなんでもそうだと思うけど、その動作に迷いが感じられない。ひどく自然に息をするようにことは進んでいく。

いさ美寿しを発見したのはずい分前。なんか鮨食いたいな〜と本八幡をウロウロしていて出会ってしまったわけです。その時はランチだったのだけど。

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さっき食べたさよりの皮をくるくるっと巻いて炙ってくれる、大将のスペシャリテ。

それまでは本八幡で鮨というと、菅野の交差点にあったすしやの家族、あるいは菅野湯のあったあたりの鮨神田で面倒を見てもらっていたので、ここを見つけてよかったです。自分の中では銀座の新富寿し、神保町の六法、そして本八幡のいさ美寿しがいまのお気に入りです。

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食事が終わると淹れてくれるこの一杯が美味しい。

そして鮨屋に長居は禁物、さっと食べて、さっと帰る。鮨は江戸時代から続くファストフードなのだ。