川面のきらめきを愛で、渓谷のせせらぎに耳を澄ます。養老渓谷 もちの木

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養老渓谷。

JR内房線を五井で小湊鉄道に乗り換え、小一時間、養老渓谷駅に着く。

不思議の国のアリスで「さぁ、これからアリスは不思議の国に入っていきますよ」と言って、違う世界に入っていくように、ローカル線に乗り換え、都心の電車には無い雰囲気に包まれると、時の流れが変わり気持ちが穏やかになる。ついさっきまでしかめっ面をしていた自分の顔が少しは綻んでいるのが車窓に映っておかしい。

ほんの少しでも鉄道の旅は楽しい。できれば予定は立てたくない。

思い立ったらすぐに動けるように荷物は最小限にして、お腹が空いたら最寄りの駅で降りて地元の食堂を探す。ローカル線に乗り換えるのは「さあ、これから違う世界に入っていきますよ」という気持ちの切り替えになるからだ。

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小湊鉄道では車掌さんが廻ってくる。
乗っている人はたいてい地元の人たちだ。
通学の小学生や中学生。おばあちゃんたち。

みんな、車掌さんとは顔見知りのようで検札というより一言ふたこと世間話を交わしている。

検札の途中、とあるおばあちゃんが定期を忘れてきた様子だったのだけど、「あぁ、明日でいいですよ。」と車掌さんが言っていたのがとても印象的だった。

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宿、もちの木は養老渓谷駅から少し離れたところにある。
露天風呂は山側と川側にあり、この日入浴したのは川側の露天風呂。
湯船に浸かると渓谷のせせらぎが聞こえてくる。

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風呂に入ったら部屋でのんびりもできる。
山桃という部屋は川に面した広いテラスが付いていて、ここで質、量がずっしりと重い小説を読んでみたい。たとえばドストエフスキーの罪と罰とか。今度来るとき間は忘れずに持ってこようと思う。

たとえば7時間STAYプランというのを使えば、部屋は泊まらなくても使える。
これは月替わりの懐石料理と10畳の和室に8畳のテラスがついている部屋を7時間利用できる。

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毎日を忙しく過ごしていても、朝イチで電話とメールを片付けて養老渓谷に向かう。
15時にチェックインして22時チェックアウト。夕ごはんにはかなり贅沢な懐石料理。

忙しいを理由になかなか会えていなかった彼女や、普段、かまっていなかった奥さんを誘って、お湯に浸かり、部屋でのんびり、美味しいごはんを食べれば、ふたりとも自然に笑みがあふれてくる、はず。

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