湯上がりは囲炉裏をかこんでお茶を飲み、好きなものを焼いて食べ、まったり過ごす、房総の秘湯。七里川温泉
房総は意外と山坂が多い。
その山坂をグイグイ登って行くと「えっ」と思うところに七里川温泉はある。
ここの温泉は房総では珍しく硫黄泉である。
のんびり露天風呂に入ると、大広間にある囲炉裏を自由に使って良いという。そして焼くものは持ち込みOK。
我々が訪れた時も近所(と言っても、結構みんな離れていると思いますけど)の方と思われる、皆顔見知りの方たちが、囲炉裏をかこんでおしゃべりを楽しんでいた。
ちょっと異邦人な我々はなんとなく遠慮しつつ、しかし、少しずつではあるがその距離を縮め、お話を伺うことができた。
どれでも自由に使って良い湯呑みなのだが、きっと、いつもおんなじ人が同じ湯呑みを使っているに違いない、イギリスとかスコットランドとか、あるいはアイルランドのパブみたいな暖かな雰囲気を感じる。
この時居間にいた方々に伺うと、曰く、たいてい毎日、ここに来て湯につかり、一日を過ごすのだという。特に寒い雨の日などは、魚介類のみならず、山で採れたいろいろなものを皆持ち寄り、あれを食べ、これを食べ、茶を飲み、湯につかり、なんとも至福な時間を過ごしているらしい。羨ましいかぎり。
大広間以外にロビーにも囲炉裏はあり、ここは主に立ち寄り湯に来た観光客が食事をする場所ともなっている。
ちなみに日帰り入浴は800円。これを払ってしまえば囲炉裏のそばで一日過ごすことができる。持ち込んだ好きな食材を囲炉裏で焼き、隣り合った人たちと交換し合い過ごせるのだ。
七里川温泉は、なんとものんびりとした、素晴らしい場所と空間である。
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