1Q3 男性専用ヘアサロン 親方とマンツーで髪を整えられる悦び
「はいっ、いっきゅうさんです!」
予約の電話をすると親方はいつもこう電話に出てくれる。
でも直近だとたいてい予約は埋まっていて、10日から2週間程度先を見越して予約をするのがいいと思う。最近は髪を整えてもらったその日の帰り際に次の予約をすることが多い。大抵一ヶ月以上先だから、希望の時間で予約完了。
そしてこれが親方の手。ハサミとクシで飯を食うんだね、と言われた手です。
扉を開けて店に入ると、外からは見えないようになっている椅子に座る。この椅子がすごい。革張りで座り心地がとても良い。革張りっておしりが蒸れちゃう時があるんだけど、特にクルマとか飛行機とか、1Q3の椅子は蒸れない、不思議な仕組みになっているのかもしれない。
「今日はどうしますか?」
「ジョニー・デップばりのバリバリのイケメンでお願いします!」
「かしこまりました」
ただ、親方がやってくれるのは髪だけなので、顔と体型の方は美容整形に行かないとならない。
自分がお願いするのはいつも“カットフル”というコース。髪を整え、シャンプーをしてもらい、トニックで頭皮のマッサージをしてもらい、顔を剃ってもらい、男同士のバカ話をしている間に、一時間あまりの愉悦の時が過ぎていく。親方とのおしゃべりはとても愉しい。
シャンプー後のトニックが爽快で、毎回これを楽しみにしているのだけど、なにを使っているのか尋ねたらあっさり教えてくれた。
「ハールワッサーというトニックでAmazonで売ってますよ」
帰ってから迷わず買った、しかも業務用のデカイヤツ。これを百均で買ったボトルに小分けして使うのだ。小分けしやすいように小さなジョウゴもついてくる。
顔剃りのときにも、
「なんか最近、耳毛が生えてきてさー」
「今日はそんなに生えてないですね、産毛程度」
「なんかいい手はないかしら、自分で抜くのも大変で」
「眉毛トリマーみたいなやつを使うといいですよ」
「あっ、そうなんだ!」
と、なんでも教えてくれる、とてもいい親方だ。
本八幡のこんなところにひっそりとあるので、親方の家は近所かと思っていたら、そうじゃなかった。結構遠くからスクーターで通っているのだ、店の横の路地に止めてあるのが親方の愛車。でも、疲れたり、雨が降ってきちゃったときは電車で帰るらしい。
そんな遠くからなんで本八幡に?と尋ねてみたらば、
「なんか本八幡って賑わってるし盛り上がってたので」
とのことでした。
傍から見るとそう見えるのか本八幡。住んでいると意外にそういうところには気が付かない。たしかに駅周辺の再開発やらタワマンの建ちっぷり、スクラップ・アンド・ビルドで出来ては消え、無くなったと思うと違う店になっていることが最近は多い。
実はこの親方、以前からちょくちょく見かけていたことがある。まだ、1Q3に行ったことがない時に。よく行く定食屋で「金福」という知る人ぞ知る素晴らしい定食屋があるのだが(ここはいずれ紹介します)、そこで昼を食べていたら「あっ、あの看板の人だ」と思った。かと思えばヤオコーで発見したり、道を歩いていると自転車ですれ違ったり、はたまた奥原商店というカフェでお茶をしている時にサンドイッチを買いに来たりしていた。見間違えは絶対にない。だってあのキャラだぜ。
そのくらい店の看板の顔と親方の顔はそっくりなのだ。京成八幡の駅にも看板が出ている。
初めて1Q3を訪れたのは一年ほど前。
それまでは数十年間に渡り同じ人に髪をやってもらっていたのだけど、その人、実家がもともと美容院で、そこを継ぐ形で独立されるとのことで群馬県の太田で開業されたのだ。しばらくは太田まで通っていた。外環から東北道とほとんど半日かけて。でも、段々とそんな時間も取りづらくなってきちゃった。しかたなしに近所にある床屋に片っ端から行ってみた。探すと結構あるのね本八幡。床屋も美容院も市川駅の方まで探し歩いたのだけど、なかなか「これっ!」という人に出会えなかった。
でも、1Q3には行って見なかったのだ。ただなんとなく。特に理由はないけど。。。
しかしある日、意を決して顔剃りだけで訪れてみた。
気持ちいい。
会計を済ますと帰り際におやつをくれる。
面白いおっちゃん、この人にならあげてもいい、と、思ったのだ。
一期一会。
それ以来、髪のことなら1Q3となったのだ。
ホームページ http://1q3.info
Twitter https://twitter.com/barbershop_1q3
Twitterでは突然のキャンセルが出ときや直近の予約状況を発信してくれています。
親方、親方って勝手に呼んでますが、本当はなんて呼ぶのが正解なんだろう。
1Q3のホームページにひとり親方のメンズサロンって書いてあったからいつの間にか自分の中では親方が自然になっています。